アメリカJ1ビザで、どのぐらい日本人は渡航しているのか?
昨年は、コロナ禍で渡航者数がとても少ない状況ではありますが、今年の4月に外国人の入国に関する大統領令が
解除されてからは、アメリカへのJ1ビザ渡航者数も徐々に回復しているJ1ビザ事情です。
ということで、今日は、過去のJ1ビザ渡航者数や国籍の比率に関するデータを見ながら、各国の事情も織り混ぜつつ、
日本人がどのぐらいJ1ビザを利用したインターンシップで渡航しているのか?、お話ししていきます。
あまり日本人の方には、アメリカのJ1ビザ自体が知られていない感じではありますが、
J1ビザの渡航者データを掲載しているサイトも少ないと思いますので、本日は、
アメリカJ1ビザの専門エージェントとして、渡航者データについてお伝えしていきたいと思います。
過去に、2019年度のJ1ビザ年間渡航者数に関して、このブログでも英語圏へのワーホリ日本人渡航者数と比較しながら、
解説をさせていただいたことがございます。
↓こちらのブログもご参考にどうぞ!
アメリカJ1ビザ渡航者数と参加者の属性
アメリカでトレーニング、インターンシップのカテゴリーのJ1ビザを利用して、アメリカに渡航している方は、年間でどのぐらいいると思いますか? また、そのうち、日本人の方は何人ぐらいいるでしょうか?
事前知識として、アメリカJ1ビザは文化交流プログラムのビザであり、
目的に合わせて14つのカテゴリーの分かれています。
その中で、アメリカでインターンシップ、働く経験ができるカテゴリーとして、
私が専門に扱っているTraineeとInternという2つのカテゴリーがあります。
Trainee→社会人経験がある方
Intern→社会人経験がない大学生、新卒の方
より詳しいJ1ビザの詳細については、↓こちらのページもご参考ください
アメリカJ1ビザとは? アメリカJ1ビザ・有給インターンシップ(Exchange Visitors Visa) アメリカJ1ビザは、国際交流プログラムの一つとして米国国務省が管轄するビザです。 全部で14のカテゴリーに分かれており、その中のTrainee(トレーニー), Intern(インターン)というカテゴリーは、アメリカの企業で企業研修(トレーニング、インターンシップ)をすることができます。 弊社では、この2つのカテゴリーを利用してアメリカJ1ビザのサービスを提供しております。 【アメリカJ1ビザ参考サイト】国務省のアメリカJ1ビザオフィシャルウエブサイト
Intern、TraineeのJ1ビザ渡航者国籍データ
国務省のウエブサイトから、2016年からの渡航者データを入手することができるのですが、
2016年度以降の渡航者の国籍や人数を日本と比較してみると、、、、
J1ビザIntern渡航者データ
渡航年度 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2016 | ドイツ 3270人 | フランス 3182人 | カナダ 2299人 | フィリピン 2285人 | 韓国 1905人 | (日本 250人) |
2017 | ドイツ 3026人 | フィリピン 2913人 | フランス 2828人 | カナダ 2424人 | 韓国 2342人 | (日本 222人) |
2018 | フィリピン 2979人 | ドイツ 2797人 | カナダ 2752人 | フランス 2699人 | 韓国 2330人 | (日本 164人) |
2019 | フィリピン 2936人 | カナダ 2855人 | ドイツ 2579人 | フランス 2571人 | 韓国 2287人 | (日本 152人) |
2020 | 韓国 1052人 | カナダ 813人 | フランス 748人 | ドイツ 590人 | フィリピン 519人 | (日本 25人) |
Internのカテゴリーで、アメリカインターンシップに来ている国籍の上位は、常に、この5国なんです!
・ドイツ
・フランス
・フィリピン
・カナダ
・韓国
このデータを見て、ちょっとコメントすると・・・
フィリピンからの渡航者が多いのは、フィリピンで働くより、インターンであっても、アメリカで働いた方が、
稼げてしまうからのようです。
フィリピンは、まだまだ物価も給与も安い国ではありますので、J1ビザは、実際には就労ビザではないのですが、
インターンの給与でも、母国で働くより、良い給与がもらえるそうです。
フィリピンの方は、比較的、アメリカでも田舎で生活費が安い地域に行くことが多いので、
結構、貯金も貯まるようです。
そして、フィリピン人の方は、英語力も高いということもあって、米系企業からのニーズ
(特にホスピタリティ分野)も高いようなので、フィリピンの渡航者が多いという背景があります。
それから、
お隣、韓国の渡航者が多いのは、背景として、韓国は国を上げてクローバル化を推進していますので、
韓国の大学には、大学のカリキュラムとして1年間のアメリカインターンシップが組み込まれています。
しかも、インターンシップにかかる費用は、すべて政府が支援していますので、学生が費用を負担する必要がありません、
すごい!
このように国を上げて、教育に力を入れ、世界に通用するようなグローバル人材育成の制度を整えているため、
Internカテゴリーを利用した韓国からの渡航者が多い理由でもあります。
そして、アメリカにある韓国企業や在住韓国人の方は、こうした韓国人学生のインターン受け入れにも、
とても寛大、協力的で、国を上げて若手人材を育成することの必要性を感じており、
韓国学生のインターン受け入れに貢献したいという愛国心も強いようです。
それ以外の国でも、大学のカリキュラムに海外でのインターンシップが組み込まれていたり、
休学制度が充実しているという環境が整っている点で、カナダやフランス、ドイツの渡航者も
Internのカテゴリーでは多くなっています。
その点でいうと、日本の大学や教育制度は、かなりグローバル化に遅れをとっているのが現状で、
インターンとしての日本人渡航者は、とても少なく、年間200人前後で、悲しいことに、
年々、減ってしまっていますね。
おどろいたのは、なんと言っても、昨年のコロナパンデミックで外国人の入国やビザ発給が
制限されている状況の中、韓国のインターン渡航者が1000人もいたことです!
確かに過去と比較すると、渡航者は半減しているのですが、それでも、渡航者数1位とは、
韓国の勢いはすごいですね。
アメリカは、KpopのBTSが大人気だったり、韓国映画がアカデミー賞を取ったりと、
アメリカに住んでいると韓国の国力のすごさを日々、感じています。
J1ビザTrainee渡航者データ
渡航年度 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2016 | フィリピン 1351人 | フランス 1312人 | インド 965人 | 日本 790人 | イギリス 565人 | |
2017 | フィリピン 1759人 | フランス 1338人 | 日本 835人 | インド 750人 | イギリス 539人 | |
2018 | フィリピン 1475人 | フランス 1365人 | インド 848人 | 日本 823人 | イギリス 516人 | |
2019 | フランス 1382人 | フィリピン 1083人 | インド 901人 | 日本 738人 | ドイツ 476人 | |
2020 | フランス 366人 | インド 254人 | 南アフリカ 166人 | 日本 152人 | 韓国 132人 |
続いて、Traineeカテゴリーの渡航者を見てみると、
・フィリピン
・フランス
・インド
・イギリス
・我が国、日本!
が、常連の上位5国になります。
日本人の方は、韓国とは反対に、現役の大学生や新卒よりも、社会人として数年ほど職歴を積んだ後に、
アメリカのJ1ビザで渡航される方が多いということです。
とはいえ、以前のブログでも書きましたが、年間に800人ほどの日本人渡航者数は、
他国のワーホリ日本人渡航者と比較すると、10分の1、5分の1ぐらいの渡航者数なので、
アメリカへのJ1ビザ日本人渡航者は、とても少ない状況です。
Traineeのカテゴリーでも、フィリピン人の渡航者が非常に多いのは、やはり、母国で働くよりも
よい給与がもらえるというのが、大きく影響していると思います。
そして、インドの渡航者が多いのは、やはり、IT分野のスキルが高く、高度な教育を受けている国ですので、
多くはIT業界でのインターンシップをするためにJ1ビザを利用しています。
米系IT企業では、インターンであっても、インド人の方の高いITスキルや能力は、とても需要が高いようです。
ということで、今日は、過去5年間のアメリカTraineeとInternカテゴリーのJ1ビザでの渡航者数と
国籍データを使って、J1ビザの渡航者状況をお話ししいたしました。
実は、日本人はTraineeカテゴリーでは、常に上位に入っている優秀国ではあるので、
J1ビザの渡航者が多い国の一つでもあるのです。
これからもどんどん、J1ビザを利用して、アメリカで働いてみたい、経験を積みたいという
日本人の方をサポートしていきたいと思っています!
J1ビザに関するご質問、ご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。