アメリカJ1ビザ入国禁止大統領令に対する無効化の判決に関して
こんにちは、アメリカで働く経験、インターンシップができるJ-1ビザ専門コンサルタント安斎です。
6月22日に発令されたJ1ビザを含む就労ビザの新規保持者の米国入国を12月31日まで禁止する大統領令に対して、北カリフォルニアの商工会議所、製造業協会や複数の企業がその取り下げを訴えていた訴訟で、フェデラルコートが制限付きで無効化する判決が下されました。
この判決に関して、まだ判決が下されたばかりのため、現時点では限られた情報しかないのでお伝えできることも限られてきますが、わかる範囲の情報をこのブログでお伝えしたいと思います。
大統領令の取り下げ訴訟について少し補足しますと、この訴訟は7月中旬にアメリカ商工会議所、製造業協会、リテイル協会、そして、北カリフォルニア地区の企業がアメリカのホームランドセキュリティを相手に訴訟を起こしていました。
この訴訟には、誰もが知っているAmazonやFacebook、Microsoftなどの超大手企業も訴訟支援を行っています。
そして10月初めにアメリカのフェデラルコートが、この訴訟の原告者に対しては、6月22日の大統領令を無効化することの判断を下しました。
主に以下のような要因により、トランプ大統領が職権以上の権限を超えた移民制限であるということで裁判官が無効化する判決を下したと報告されています。
・入国禁止令は、コロナウイルス感染によるアメリカ経済に大きく関連があり、悪影響を及ぼしている
・入国禁止令は、アメリカ国内市場だけを考慮した政策であり、それ以外の市場は全く視野に入れていない偏った政策であること
・アメリカの外国企業や駐在員、有能な外国人人材を制限することでアメリカ経済や市場回復、ビジネスの回復を遅らせ、悪化させていること
・入国禁止令によりアメリカのグローバルオペレーション、国際化企業の事業を制限させていること
ただし、この大統領令無効化の判決は、訴訟を起こした原告側の企業、協会とそのメンバーのみに適用されるため、おおやけに大統領令が無効化されるということではありませんので、J1ビザが完全に再開されるというわけではありません。
また、この判決を受けて、トランプ政権が控訴する可能性も高く、控訴裁判所に移されるかもしれないと言われています。
なので、大手を広げて喜べる出来ごとでもなかったりします。
ご参考にニューヨークタイムズが掲載している英文記事をご紹介しますので、英語の勉強もかねて記事確認してみてください。
ニューヨークタイムズ “Judge Blocks Trump’s Ban on Foreign Workers”
この原告側に含まれる企業だけが対象なのですが、それでも多くの米系企業がアメリカ商工会議所や各協会、組織のメンバーになっていますので、対象となる企業に駐在員や外国人人材をアメリカに送り込めるということになります。
これにより、アメリカ経済や市場が一刻も早く回復してくれることを常に願っています、そして少しでも早いトレーニング、インターンシップのJ1ビザの再開を待ち望んでいます。
また、新たな大統領令やJ1ビザに関するアップデートがありましたら、このブログでも更新していきますので、ご確認くださいませ。
この後、Podcastでも今回の大統領令無効化の判決に関して、ちょっと雑談を交えて収録する予定ですので、Podcastも聴いてみてください。